議員会館前のTPP反対運動に参加してきました。
沖縄の高江へ行きたいけれど今は行けない私は、かわりに東京でTPP反対運動に参加しました。
事前登録等は必要なし。
共同行動ということで、様々な団体がのぼり旗を立て集まり、それが目印となって最寄り駅からすぐに集合場所は見つかりました。所属はそれぞれでも「TPPはとんでもない。批准には反対だ。」という考えが一致している同士、和やかにお互い譲り合って運動が進められます。
どなたが・どの団体が用意してくださったのか、今回は人数が多く集まることを見越してか、小ぶりの折りたたみキャンプ椅子を貸し出してくださり、これは大変助かりました。ありがとうございました。自分でも敷物を持参しては行ったのですが、やはり椅子タイプの方が腰が断然ラクです。こういった椅子の貸し出しの用意・サービスがあると、運動にも参加しやすくて良いことだなあと思いました。
他に今回自分で用意して行ったものはマスク、水分(マイボトルに紅茶)、ひざ掛け用にタオル、貼るカイロ(首と腰)、飴玉、手作りプラカード。パソコンで印刷派が多数を占める中、逆に目立って良かったかな?
印刷されたプラカードも配布されました。
今回、近くに気軽に借りられるWCがあるか私にはわからなかったため、水分はコントロールしながらチビチビ補給。
持ってくれば良かったものは帽子です。急いで出たのでうっかり忘れてきました(-_-;)日差し或いは小雨から直接受けるのを避ける、防寒、顔を隠す、など帽子はあった方がいい。
あとは運動のタイプにもよりますが、今回は国会の中へ国民の怒りを、抗議の意思を届けなければいけない、ということで鳴り物も有効なのでした。前回の四国電力前の伊方原発再稼働反対運動の際にプチ活躍したお風呂用スピーカーを忘れてきましたが、スピーカー数台によるスピーチとシュプレヒコールが連続する今回は出番もありませんでした。私のそばにいらした参加者はフライパンでも太鼓でもなく、樹の実がたくさんぶら下がっている民族楽器のようなものを持参され、それが程よい音量と耳に痛くない音色でちゃんとリズムを刻み「それはいいですね!」と思わず声をかけました。参考になりました。(この日の抗議の声は、「何を言っているかは聞き取れないけれど、国会の中に届いていた。聞こえた。」と国会議員が言っていました)
元農水大臣の山田正彦さんがスピーチ後に所要のためその場を離れる際、参加者一人ひとりあいさつをされ、私も握手をしていただきました。「三宅洋平さんとの対談がとてもわかりやすかったです。」と伝えました。TPPの問題点についてわかりやすく説明してくださり、反対運動にも連日立たれ、参加者をねぎらうお顔はとてもやさしく、「この人が今、農水大臣だったらな」と思ってしまいました。現大臣との落差といったら!
TPP反対をアピールする小さいバッジの販売があったので購入、100円ナリ。
好きなデザイン。
☆今回の流れ☆
12時集合で1時くらいまで:
各団体の代表者やTPPに詳しい方々からのスピーチを聞きながら座りこみ。
1時〜2時まで:一旦休憩。
2時〜:運動再開。スピーチ、シュプレヒコール。国会の様子が適宜入る。
(私は5時半過ぎくらいまで参加しました。
自分なりにTPPについて勉強した上での参加でしたが、詳しい方々からのスピーチを伺い、改めて知ることもたくさんありました。
参加者は平日昼間ということもあり、30代〜60代中心に見えました。20代の若い方も7、80代位の方々の姿もありました。男女半々位。
独りで戦うのはしんどいけど、こういった場に出掛けると同じ思いの仲間がいるんだ、と励みにもなりますね。会話もスムーズですしね。
シュプレヒコールでは
「山本(農水大臣)辞めろ!」よりも「アベ辞めろ!」
「No,No,TPP!」よりも「No,No,アベ政権!」
の方が自分含めみんなの熱がこもっていたような。大臣の首を変えて気の済む話では最早ないのですよ。国民の多くは、もうアベは嫌だ、辞めてくれ!と、安倍政権の退陣を望んでいるのだと、あの場に立っていてひしひしと感じました。今回の強行採決に対し
「支持率高ければ何をやってもいいのか」と言う声がありますが、本当に支持率高いの?そうとは到底思えませんでした。
白紙領収書・沖縄いじめ・年金運用の失敗・外国へのバラマキ・貧困。まともな大臣ゼロ。アベ政権はもうすでに崩壊しているんです。それをごまかすかのようにぢ民党は総裁任期延長を持ち出し、いかにも盤石なのだと見せかけているのかもしれないですよ。TPPについても国民の理解を得られるように丁寧に説明うんぬんって、、、一切政府から納得できるような説明を受けたことはないですけども?
だめなものはだめだと、これからも行動していきますが、さっさとアベ政権は退陣してもらったほうが話は早い。これほど国民から嫌われ、恨まれ、辞めて欲しいと思われている総理大臣も近年いなかったのでは。氏は政策や法案に対して反対されることよりもダイレクトにストレートに
「アベ辞めろ!」「アベ政権崩壊」と言われたほうが当の本人は気にする、痛い様な気がしますよ。(あ、私個人的には「北風と太陽」方式派ですけどね。)
ツッコミどころ満載のアベ政権です、野党はタブーを恐れず、国会で「答えに詰まる鋭い質問」を次々すればいい。こう考えると政治もセンスだなぁ。
できますよ。
ごまかしだらけのアベ政権なんて、簡単に倒れる。
運動から帰宅してその日ぴったりハマったのはブルーハーツと清志郎さんでしたが、デタラメ政権の暴挙に同じ大人としてあきれてサゲサゲな気持ちには楽しい曲と動画のサプリメントをハートにズドン。時期が被ったので、最初文字列だけ見た時には一瞬TPPの風刺ソングかと思ってしまいました、PPAP。大好きな古坂大魔王。楽しさをありがとう古坂大魔王。
ロングバージョンも好きだよ。
私は選びたい。
日本の食は安心・安全、、、そんなイメージを植え付けられてきたけれど、残念ながら
違っていた。
スーパーには農薬と添加物まみれの食材があふれてる。ベクレルフリーの食は探さなければ出会えない。やっとみつけた有機栽培の食材は、農薬漬けのものより少し値が張る。
貧乏人は安かろう悪かろうを口にするしか無いのか?
そこはNOの態度を貫きたい。奴隷根性を持ったらおしまいだ。
農薬や添加物、放射能たっぷりのジャンクなものをろくに味わいもせず腹を充たすよりも、身体に良い美味しいものを少量いただく生活がしたい。
できる範囲で安心しておいしい食事がしたいという思いは、3.11から何年もたった いま、むしろ強くなった。
毎日 毎食 口にするものなら、なおさらだ。
月に一度は訪れるお気に入りのお店「クレヨンハウス」、地下にあるレストランは安心食材のランチがいただける。
お米も、野菜も、汁物も、どれもおいしい。
さりげなく緑が飾られ、ほっと落ち着く空間だ。
おなかもココロも充たされて、湯呑みを口に。
「えっ!これ麦茶?」
甘い。甘いのだ。
たかが麦茶。でも
「麦茶なのにこんなにおいしいと感じたのは初めて!」と、衝撃だった。
これどこの麦茶?どこで売ってるの?買えるの?
キョロキョロしながらお店を後に、、、、、おっと。
わーい(^^)同じ地下の売場で売っていました。
このおひげの写真が
ふふっ。こんなイラストで表現されてる。
おいしいものは虫やモグラと共に育つ。
たかが麦茶されど麦茶、甘い麦茶を作っているこのおひげのおじさんに会ってみたい気がした。
一瞬でも生産者に会いたいと思わせるなんて、これはジャンクな食生活では無いこと。オーガニックならでは だなー。
日本がオーガニック食材であふれて、真の安心・安全な食の国となりますように。
園芸コーナーの植物に癒されるの巻
心身の調子が今ひとつ。
いろいろやらなくてはいけないことは多くあれど「あせらずまずしっかり休んで。元気を取り戻すことから」と自分に言い聞かせるのって、大変ね。他人には言えるのに、自分には言えなかったりするのね。
サボるのと 休むのとは 違うの。
甘やかすのと ねぎらい褒めるのとは 違うの。
日本人は もっと休んだほうがいいし
もっと褒め合ったほうがいい。
そう 思います。
さて
Twitter別アカウントでもつぶやいたのですが、疲れた心と身体の癒やしになる植物の話題をこちらのブログでもあらためて。
地元の大型スーパーの一角にある園芸コーナー
わりと好きで
ふと足を留め
くるっとひと回り
季節の植物が
無言かつ多弁にパワーをくれたりしますね。
あぁ、この野菜 育てたことあるなぁ、とか
私 園芸好きだったから前職で園芸担当にしてもらえた時はありがたかったけど
休憩無しで 暑い中疲れている中 水撒きとかは本当にしんどくて
もっと園芸は利用者さんとゆったりと鼻歌まじりに関わりたかったんだよな、 とか
無農薬の農業やりたい、 とか
いろんな気持ちを引き出してくれます。
こういうの好きだなぁ。パフェみたいねえ。へんてこで個性的なほうが楽しいからまわりに合わせるなよ自分らしさを大事にしろよ、と励まされる気分。
素敵なお名前
へぇ〜!と驚いたり
何度も吸いにやってくる ねぇ その花の蜜はおいしいの
久しぶりにやりたかった ヒヤシンスの水栽培 始めました
順調に育ちそうなら、Twitterかここのブログでたまに成長記録を綴ろうかしら。。。
最近癒される曲は 以前にも私を癒やしてくれた曲でした。
支援のセンス湧くラボ:意思疎通のお話
神奈川県の重度障害者の利用者が複数殺される事件があった時、「言葉が通じない」とか「コミュニケーションが取れない」と言う記述をみかけて違和感を感じた。一部の専門家がそんなことはないと異を唱えていたが、私も同感だ。
知的障害と言語障害と四肢麻痺という重度の重複障害の利用者さんととうまくコミュニケーションが取れない職員がいた。その施設で介護福祉士の国家資格を持っていたのは私と彼女だけであったが、彼女は安易に「言葉が通じないから難しいねえ」と言った。
ノンバーバルって習わなかったのかな? 音声言語だけじゃないよね。
生育歴 表情 服装 声 身体の動き 匂い
あらゆる情報にメッセージが含まれている。
福祉にたずさわるものであれば常識であるが
言葉の掛け方も何が食べたい?ではなく
AとBどちらが食べたいですか?と選択できる質問を
もしくは はい・いいえ どちらか選択して答えられる質問を
あとは
眼の奥が笑っているか
自分の都合のいいように自分の支援だから自分の企画だから「楽しんでいた」にしていないか?
わくわくうきうき 楽しんでいるかは
しばしば身体の動きにも現れるし
目が死んでいるか 眼の奥が笑っている=キラキラしているか
それを
ちゃんと見分けられるか
それは
センス
専門性があるということは
そういうこと
昔
別の職業についている時 いじめに遭う経験をした。
心身体調を崩し弱っていた私に
余計な言葉ではなく、まず背中をさすってくださる方がいた
その行為に、ぬくもりに、どれだけ励まされたか
音声言語ではないコミュニケーション手段の利用者さんが
ノンバーバルを理解してくれるスタッフに出会えたら
どれだけ幸せか
あ 通じた この人は理解してくれる
その時の信頼と喜びの表情も読み取れるスタッフになってください。
映画「シン・ゴジラ」を観て来ました。
知り合いから「字幕を読むのが大変だった。間に合わなかった」と言われ、「え?日本映画なのに?」と首を傾げながら、久々の映画鑑賞へ。話題の「シン・ゴジラ」です。
事前に、高評価の感想を幾つも目にしていました。
うーん、、、ところどころ面白い場面はありましたが
全体として、自分的にはあまり楽しめませんでした。
字幕が多いと言っていたのは、登場人物の役職名でしたね。
感想、今回は簡単にメモしておきます。
* 初期のゴジラがちゃっちい
*感情移入ができない
*キャラ演出だろうが、石原さとみさんの役の鼻につく英語のイントネーションがくどすぎていらいらするだけだった。
面白かったところも上げておきます。。。
*甘利大臣そっくりの役者さんが劇中も閣僚役で出てくる(本人かと思っちゃいました)
*ゴジラへの攻撃の仕方、最終的な解決方法
エンドロールには
協力、として『電通』の文字が。。。あぁ。。。
そして私は気づかなかったのですが、同じく協力、した人物として『枝野幸男』氏の名前もあったそうで、観終わった後にネットでインタビュー記事を拝見しました。そちらのほうが興味深かったです。
なぜ私はこの映画を楽しめなかったのだろう?と考えた時、
「現実のほうが切羽詰まっていて、生々しいから」ではないか、と
沖縄・高江の問題
放射能まみれのこの国 映画みたいに短期間で半減しない
この映画で、緊急時の国会議員の動きが見れたという感想を目にしたけど、山本太郎さんがUPする動画の方がよっぽどリアル
放射線計測器で測ってみました 〜スカイツリーのある街〜
スカイツリーのある下町の区役所で、放射線測定器の無料貸出しが行われていることを今頃知りました。
3.11、福島の原発がメルトダウンしてから何年も過ぎたけれど、放射線の情報については政府がごまかしや嘘ばかりでおよそ信頼できず、東京も安心して暮らせてはいないです。吸う空気も、飲み水も、食べ物も、安全なのかわからない。
基準値を何故上げたのか?海外と比べてべらぼうに高い基準値設定は何故か?海外が輸入を制限している食品を日本では流通させ食べさせて何故平気なのか?納得いく説明を受けていないです。
隠すなら自分でこの目で調べてみないと納得出来ない。ということで、
区役所から計測器を借り、半日測りまくるスカイツリー周辺。
計測日時:2016・8・26 11:54〜16:10
天候:晴
放射線計測器:
機種・製造国 Mr.Gamma A2700(日本・クリアパレス株式会社)
検出器の種類 CsI(Tℓ)シンチレーション式
放射線の種類 ガンマ(γ)線
測定範囲 0.001μSv/h~9.999μSv/h
計測ポイント(場所):スカイツリーと駅名以外は個人情報が特定されないような表記にしてあります。地上約1mの高さで計測しました。
①自分の部屋(某集合住宅1階)‥‥‥‥‥0,08マイクロシーベルト
②ベランダ(某集合住宅1階)‥‥‥‥‥‥ 0.08
③庭(某集合住宅)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥0.10
④集合住宅敷地内広場 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 0.07
⑤某スーパー前 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥0.08
⑥公園A ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 0.04
⑦公園B(水場近く) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 0.08
⑧公園C(池の上 ) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥0.03
⑨押上駅前駐輪場入り口 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥0.04
*水場近くの空間線量は意外に高くなかったけれど、水の汚染度を調べたらどんな結果が出るでしょうか。
*今回は半日のみで計測したので自転車で廻れる限られた場所のみでの計測でしたが、例えばもっと高さのあるところ、ビルの屋上での家庭菜園やってるところとかは調べたらどんな数値が出るでしょうか。
*区役所でアンケートに応じ、「ネット環境の無い家庭もあるから、区HPでの情報開示だけではなく、区公報や公の施設でも定期的に知らせて欲しい」旨、要望しました。
*夏場の計測は虫よけ対策をお忘れなく!土の上や水たまりなどホットスポットが疑われる場所で計測しようとしてうっかり蚊に刺されませぬよう(刺されまくりだった私(。>﹏<。))。
*食の安全も気掛かりです。牛乳飲んでないな。。。
*いま、この国は、私達が知りたい情報を偏りなく出しているでしょうか?忙しいから・疲れているから、マスコミや行政や国の出す情報を鵜呑みにしがちだけれど、いまの政権はあらゆる面で嘘やごまかしばかりで、信じたくても信じようがない。疑問は問い合わせる、自分の手で目で調べる、賢い有権者でありたい。自分の住んでいる街が、国が、自分の生きてる社会がより良くあって欲しいなら、意識の高い市民がいるってことをわかってもらう努力をする必要があるのでした。賢くなって、行動する有権者でありたいです。
支援のセンス湧くラボ:simo の介助や支援
①おしっこが出るスタッフ?出ないスタッフ?
排尿・排便・生理の手当ての介助でお手洗いに同室、それは
プライベートの最たるところ。
自分一人ではできない介助の必要な人だから同室は当然、ではなく
私は
できるかぎり毎回「入って良ろしいですか?」「同室して良いですか?」と訊いて許可を取ってから同室しました。相手から「トイレ」と声を掛けてもらった時であっても、子供であっても、そうしていました。
もう何回も介助に入らせていただきご自分でおしりを拭けない人だと知っていても、毎回「では、おしりを拭きましょうか」「お手伝いしますね?」と声をかけました。
でも隣のボックスからは声掛けを省いたり「拭くよー」「いっぱい出たねー」とラフな声掛けの介助をされている様子がしばしば伝わってきました。また、人間だからなかなかスムーズに尿や便が出ないことだってあると思うのですが、「出ないじゃん。嘘つき!」と暴言を吐くスタッフもいました。「くっせー」と露骨に口に出すスタッフもいました。そんな接し方をするスタッフに同室されては、出るもんも出ないのは当たり前ですね。そもそも同室したくない。私だったら嫌です。いっぱい出たね、よりは「幾分ラクになりましたか」、排泄に時間がかかる方にはまず同室した自分が緊張をさせていないか振り返り、出ないことを責める言葉ではなく「あわてずに、ご自分のタイミングで大丈夫です。」と言い換えたいところです。
近くに他にスタッフがいるのにわざわざご指名いただくことが多かったのですが、何で私ばっかり、ではなく「(^^)ご指名ありがとうございます」というスタンスです。もしお手洗いの介助を避けられてしまうとしたら介助スタッフとしては最も恥ずかしいこと。
プライベートの最たるところだから、本当は自分一人でゆっくり用を足したいはずだから(例えスタッフに依存傾向がある方だとしても。例え羞恥心をほとんど持ち合わせていないタイプの方だとしても。)、お手洗いに「介助で入らせていただく」「同室させていただく」というスタンスです。私は、当たり前のことだと思っています。
自分に置き換えればわかる。
本当は自分一人で用を足したいけれど、もし自分が病気や怪我、老いによって身体が不自由になって、誰かの手を借りなければ用を足せなくなったとしたら?誰にだったらお願いしたいか?誰が同室しても構わないわけじゃない。
準公的な障害者福祉施設に約10年勤めましたが、あらためて廻りを見渡した時、この人にお願いしたい、と思えるスタッフはいませんでした。それは、残念なことでした。
この人なら同室してもスムーズにおしっこが出るかもな、私の人格を尊重し傷つけることなく接してくれるだろうな、そういう人物がいなかった。
どうしても選ぶとしたら、自分が頼みたいのは「自分」でした。ここで言うそれは、自分のことは自分でしたいという意味ではなくて、どんな態度で接してくれるスタッフならプライベートの最たるところでの介助、同室を許すか、どのスタッフだったらおしっこが出るか、あらためて「客観的に考えて」私はもう一人私がいればいいのにと思いました。いまと今後のこの国の介助・介護の現場を考える時、これは不幸なことでした。
②真の自立支援とは
おむつ:
必要のない人におむつがあてられているケースを幾つも目にしました。自力で排泄のコントロールができない機能的な問題ならともかく、他のアプローチ、技術によって「トイレで排泄可能」な方がおむつをあてられているのはいろいろ問題が多いのでしばしば口を出しました。
知的・肢体不自由で車椅子、音声言語も「ウーン(Yes)」「オーイ(人を呼ぶ時)」程度。あとは首振りで否定(No)を表すAさんはしばしばおむつをあてられていました。日常も、それから泊まりの場面で移動の際に長時間バスに乗るような時には必ずおむつでした。多くのスタッフがAさんと意思疎通できず一方的に自分たちの都合の良い解釈をするので、Aさんはその度に怒って車椅子の上で暴れていました。ある時、日常でも暴れさせずコミュニケーションの取れていた私は泊まり(旅行)の場面でもAさん担当になりました。長距離バス移動だからとやはりおむつをあてられていましたが、普段でも私が出勤の日にはお手洗いでのスムーズな排泄が可能でしたので、「この人はご自分で排泄コントロールできる方だよなぁ」と見立てていました。出発の場面でも「おむつ、どうしましょうか、念の為にあてますか?長い時間バスには乗るけれど、トイレ休憩の時間の目安など見通しが付く様にその都度お伝えしていきますね。パーキングエリアでも宿でも、心配なさらずに。楽しく過ごしましょうね」と声をかけました。2泊3日の宿泊でしたが、一度もおむつを汚さず、もちろん車椅子やベッドも汚さず、毎回トイレでの排泄ができました。当時この事を他のスタッフに話しても、無関心或いは半信半疑、或いは「Aさんはあなたが好きだから」といった反応ばかりであり、誰ひとりとして「どう対応したの?」と知ろうとする人は皆無でした。
Aさんは片麻痺で車椅子の方でしたが、一人ひとり障害の状況や機能、自立度は異なり、また、一見おむつが必要な方であっても単にスタッフとコミュニケーションがうまくとれないことが原因で汚してしまうケースもしばしばあり、実際はご本人で排泄コントロールが可能ということもあるのです。スタッフがラクだからという理由で結果的におむつをあてられているケースも日本には多いのではないでしょうか。Aさんはトイレでの排泄が可能である、とミーティングの場でも伝え、また、報告書でも記録を残しましたが、前任者の経験や記録を生かさない職場でしたので、私が異動すると日常的におむつをあてられた状況に戻っていると後から知りました。
おむつをあてそこにおしっこするのはどれだけ気持ち悪いか。本当はトイレで用が足せる人なのに、です。毎日お風呂に入れてもらえるわけでもない方です。
支援学校からの実習生でおむつをあてている女の子をみました。ダンスが得意なBさん。ダンスができるのにおむつしているのか。私は違和感を覚えました。ある時そっとお母様に「病院の検査で機能的に問題がありましたか?お医者様はなんとおっしゃっていましたか?差し支えなければお聞きしたいのですが」との問いに、検査をしたが機能的には問題がない結果だったと教えてくれました。でもおむつをあてているんですね。私にはご家族や学校側があきらめている或いは思考停止になっている或いは良い方法を知らずにいる、と感じました。「内臓の機能に問題がなく麻痺もない、ダンスも踊れる。作業理解も高くコミュニケーションも特に問題ない。おむつではなく、トイレでおしっこできると思いますよ。おむつが取れてトイレで排泄できるようになったら、Bさんは自立がもっともっと加速しますよ。お母様も自分の時間が取れるようになります」そう言ったら、お母さんはそんなことを言われたことがなかったらしく、ちょっとびっくりした表情とともに目がぱっと輝き、そして
住み慣れたところからこちらへ越してきてご自身精神的に不安な日々だったことなど身の上話を一気に話し始めたのでした。
おむつが本来必要ではない方があてられている場合、もしかしたらご本人の問題ではなくまわり、つまり介助する側の問題であることも多いのだろうなぁと思いました。
おりものシート:
おむつではないのですが、更年期の女性利用者さんで日常的におりものシートをあてられていた知的障害とパーキンソンのCさん。え?生理前後でもないし気になるようなひどい汚れ方もないし、なぜ毎日あてているの?と不思議に思い、長く関わってきたスタッフに確認したところ「下着に手を入れて股間を触って下着を汚しがちだから、お母様から使うように言われた」とのこと。へ?TVコマーシャルで何度も目にしてみんなが使っているのをうちの娘にも使わせてあげなきゃだわ、って思ったのかな?
必要に応じて使いたい人は使えば良いと思いますが、Cさんが毎日あてる必要性を私は
全く感じませんでした。むしろ一日に何度か新しいものに交換はしても、どうしても擦れたり蒸れたりしてかぶれる方も中にはいらっしゃるのです。逆に肌がかぶれてかゆくて掻いてしまうことになりませんか?必要ないですよね?そうミーティングで言いましたが、「親が付けろって言ってるんだから」。へ?
しかしここで「そうですかわかりました」では、Cさんの快適なパンツライフは得られない。「どうしても何かあてたいんだったら、布ナプキンという手もありますよ。オーガニック綿で作られたものもあります。それほど馬鹿高い価格でもありません。おりものシートより通気性もあるし洗濯がきくから繰り返し使えます。」実際に新品を買ってきて現物をスタッフにみせたこともありました。しかしほとんどのスタッフは興味を示さず、或いは小馬鹿にしたような表情で余計なことを持ち出すな、という姿勢でした。「誰が洗濯するのか、グループホーム職員の手間が増えるだけだ」と言われ(特に負担が増えるわけではない)、何よりもCさんの快適さや健康維持の視点で支援をしたいスタッフは他にいませんでした。そこには私以外にもう一人介護福祉士の国家資格を持つスタッフがいましたが、彼女からもそういった視点は見いだせませんでした。
老人施設もそうかもしれませんが、障害者福祉施設も建前は自立自立と言いながら、真の自立支援や残存能力を活かす視点などは支援に取り入れられることはなく、施設側はひたすら「利用者様はお客様。」と言って、利用者家族からクレームが来ることを恐れひたすら言いなりになっているだけのところが多い。
利用者の日々の心身の快適さに専門性を持って、質の高い支援をする施設はこの国に一体どれだけ存在するのですか。どこに存在するのですか。
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